2019年から長い歴史を持つテニスの国別対抗戦、デビスカップが生まれ変わる。
今年の2018年に国際テニス連盟がデビスカップの改革案を年次総会で提案し、可決され正式に変更が決定された。
第1回大会は、1900年に開催されている男子テニスの国別対抗戦。通称は、デ杯。
大会は各「グループ」に分かれていて、頂点に属する「ワールドグループ」16か国を筆頭に、この「ワールドグループ」入りをかけてグループⅠ、グループII、グループIIIと言われる各大陸間で試合を勝ち進むことになる。
「ワールドグループ」はトーナメントになっていて、決勝は毎年12月に行われていた。
1回戦で敗戦してしまった場合、敗退した国とグループで優勝した国とで「ワールドグループ」入りをかけて、「プレーオフ」を行う。
対戦国とホーム&アウェーで戦い、ホームの国が自国で好きなサーフィスを選ぶことが出来る。
代表選手にはシングル、ダブルス含め4名が選出され、試合は3日間にわたって行われる。
各試合は5セット・マッチで行う。第1日目はシングルス2試合、第2日目はダブルス、第3日目はシングルス2試合を行い、先に3勝した国の勝利となっていた。
先に3勝して勝利が決まってしまった場合は、残りの試合を“消化試合”として3セットマッチで行う。
日本代表の最高成績は、初出場した1921年の準優勝。
ワールドグループに進出したのは、1981年、1985年、2012年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年となっている。
歴代最多優勝国はアメリカの32回。2位はオーストラリアの28回。
ATPポイントも「ワールドグループ」になると付与されるが、それでも低くトップ選手は過密日程からツアーを優先する形が多くなっていた。
錦織圭も当初は出場していたが、スケジュールからの疲労も多く大会が勝ち進んでからの参加が増えてきたいた。
賞金もグランドスラムと比べるとはるかに少なく、選手は国の代表としての威厳による出場が多かった。
そこでデビスカップを活性化したいという願いのもと、25年にわたる30憶ドル(約3330億円)の協定が、アメリカ・フロリダ州オーランドでの協会会議で可決された。
この改革案にはFCバルセロナのDFジェラール・ピケが日本と中国の出資を受けて設立したコスモス社が出資に関わっており、2043年まで投資するとされている。
ピケは声明文で、
「デビスカップはポテンシャルを生かし切れていなかったと思う。われわれはこの大会を再びテニス界の頂点に戻さなければならなかった。」
「これは、最高レベルでのこのプロスポーツの要求に適応しつつ、代表チームの大会としてデビスカップが持つべき、正当かつ卓越した場所を保証する、新しい段階の始まりとなる」
新フォーマットの下では、1年を通して計4週にわたり試合が組まれる形式が廃止され、代わりに決勝大会は18か国による1週間の集中開催となる。開催地は1年ごとに変更。
試合は初日にシングルス2試合、2日目にダブルス1試合とシングルス2試合、各3セットマッチで行う。
2月に24ヵ国で予選を行い、勝った12カ国が11月の決勝大会に進める。
試合は2019年2月1日(金)と2日(土)。
アルゼンチン (2018 Play-off winner)
オーストリア (2018 Play-off winner)
ベルギー (2018 Quarterfinalists)
カナダ (2018 Play-off winner)
チェコ (2018 Play-off winner)
ドイツ (2018 Quarterfinalists)
イギリス (2018 Play-off winner)
イタリア (2018 Quarterfinalists)
日本 (2018 Play-off winner)
カザフスタン (2018 Quarterfinalists)
セルビア (2018 Play-off winner)
スウェーデン (2018 Play-off winner)
スイス (Europe’s best ranked)
オランダ (Europe’s 2nd best ranked)
ハンガリー (Europe’s 3rd best ranked)
ロシア (Europe’s 4th best ranked)
TBD (Europe’s 5th best ranked)
TBD (Europe’s 6th best ranked)
オーストラリア (Asia/Oceania’s best ranked)
インド (Asia/Oceania’s 2nd best ranked)
ウズベキスタン (Asia/Oceania’s 3rd best ranked)
コロンビア (Americas’ best ranked)
ブラジル (Americas’ 2nd best ranked)
チリ (Americas’ 3rd best ranked)
ブラジル – ベルギー
ウズベキスタン – セルビア
オーストラリア – ボスニア・ヘルツェゴビナ
インド – イタリア
ドイツ – ハンガリー
スイス – ロシア
カザフスタン vs. Europe/Africa nation TBC
チェコ – オランダ
コロンビア – スウェーデン
オーストリア – チリ
カナダ vs. Europe/Africa nation TBC
中国 – 日本
日本は中国と対戦することになっている。
決勝大会は前年度ワールドグループ準決勝進出4ヵ国と予選を勝ち抜いた12ヵ国、ワイルドカード2ヵ国の18か国で行われる。
ワイルドカードの国はデビスカップ・ランキングでトップ50位内に入っているか、選択しうる選手の中にシングルスのトップ10選手を擁する国となっている。
11月17日~24日までスペイン・マドリードのラ・カハ・マヒカで開催 。
決勝トーナメントに進むファイナリスト国は、3チームによる6つのグループに分けられ、シングルス2本、ダブルス1本によって構成されるラウンドロビン(総当たり戦)を戦う。
そしてグループ1位の代表6ヵ国と、2位の中で成績がよかった2国の代表が、サドンデスの準々決勝へと駒を進める。
・クロアチア
・フランス
・スペイン
・アメリカ合衆国
・アルゼンチン (WC)
・イギリス (WC)
フェデラー
「今までのデビスカップがなくなるのは悲しい。国際テニス連盟が決断を下す際に選手を巻き込まないのは歴史的に明らか。今回の解決策にも、欠陥が間違いなくいくつかある」
「イノベーションには大賛成だし、ある程度は彼らにチャンスを与えないといけない。どうなるか見るのが楽しみだ」
ジョコビッチ
「形式や日程を変更することの緊急性を、国際テニス連盟の人たちが理解しているのは非常に良かった。特にトップ選手たちにとって適切でなかったし、それは過去10年間で明らかだったと思う。最近までデビスカップは唯一のチーム対抗戦だったが、継続的にデビスカップに出場しているトップ選手はほんの一握りだった」